2011/05/08

"極限脱出 9時間9人9の扉"の面白さについての考察

極限脱出 9時間9人9の扉とは
ノベルパートと脱出パートの2つのパートによって構成されていています。 ディレクターにinfinityシリーズシナリオの打越鋼太郎さん、プロデューサーに428で総監督を務めたイシイジロウさんと2000年代を代表する ADVを生み出した2人がタッグを組んだサスペンスADVとなっています。またチュンソフトとしては珍しく 生え抜きのスタッフではなく、移籍組である打越さんの企画した作品となっています。

極限脱出 9時間9人9の扉
開発元:チュンソフト
発売元:スパイク
発売日:09/12/10
シナリオ・ディレクター:打越鋼太郎
プロデューサー:イシイジロウ

キャラクターデザイン:西村キヌ





これからきみたちにはゲームをしてもらう
          生死けた運命の…ゲームだ…
あらすじ
 謎の男「ゼロ」により見知らぬ船内に拉致された9人の男女はノナリーゲームという脱出ゲームをさせられることになる。

ノベルパートの考察
伏線や謎の残し方はさすが打越さんといった感じで非常にうまい作品だと思います。BADENDにもしっかり謎を残しているためtrueENDのために2週目、3週目を促すストーリーはマルチエンディングというものをうまく使っていると感じます。
展開は打越鋼太郎さん作品の中では序盤の盛り上げ方と収拾のつけ方のバランスがいいと感じましたので、打越さん作品の入り口としては最も良いのではないかと思います。infinityシリーズや12RIVENを思い出す感じなので、過去の打越さん作品を面白いと感じた人ならばこの作品も面白いと思えるのではないかと思います。逆にinfinityシリーズ・12RIVENが合わなかった方は辛いかもしれません。
残念な点としてはチュンソフト作品に多くあるおまけ・隠し要素的なものが存在しません。またエンディングの数も他のチュンソフトサウンドノベルと比べると少なくなっています。チュンソフトらしいギャグ的なエンドや、他キャラ視点のおまけストーリーあたりがあっても良かったのでは?と感じてしまいます。

脱出パートの考察
難易度はノベルパートの邪魔にならない程度の難易度となっています。もし脱出パートで詰まったとしても何度か挑戦することによってヒントの出るようになっているので、クリアが出来ないということはないと思います。ただ時間制限もなく、脱出パート中にBADENDになるということもないため緊張感が全くありません。せっかくタイトルでも9時間と時間を意識しているのですから、時間制限はあっても良かったのではないかな?と感じてしまいます。
操作性につきましてはタッチパネルと脱出ゲームの非常に相性が良いためか非常にやりやすくなっていると思います。ただ十字キーでも場所移動ができるようになっているため、左利きではやりにくいとまではいかないまでも、右利きに比べると面倒かもしれません。ボタンコンフィグで左利き用に十字キーとボタンの機能を逆に出来ればなお良かったのではと感じます。

その他システムの考察
チュンソフトにしては粗さの目立つシステムであったと思います。まずスキップは押し続けていなければならないため非常にめんどくさいです。また一度クリアした脱出パートでも飛ばすことができないため、周回プレイを意識したゲームデザインとの相性が非常に悪く、ゲームテンポは残念なことになっています。
セーブデータも1つしかつくることができず、チュンソフト作品に多いフローチャートも存在しないため分岐の前からのやり直しもできなくなっています。いつものチュンらしく3つくらいセーブデータ枠を用意されていればよかったかなと思います。

総論
脱出ゲームのタッチパネルとの相性の良さ、シナリオのテンポ・展開は悪く無いと思うので、ある程度の中途半端な感じ・ある程度の超展開を気にしない・許せる方ならば楽しめるのではないかと思います。ただシステム面ではテンポが非常に悪くなっている・セーブ枠が1つしかない等2000年以降のチュンソフト作品の中では最低の出来ではないかと思うぐらいひどいです。
チュンソフトのDSの新規タイトルは"9時間9人9の扉"にしても"ぞんびだいすき" にしてもタッチパネルを非常にうまく使っているように感じたので次のDS・3DSタイトルに期待したいと思います。

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