2011/05/16

ADV的シナリオのRPG「リンダキューブ」についての考察

リンダキューブではシナリオが3つに分かれ(PS・SS版では4つ)に別れており、そのシナリオの作り方がBADENDを見てからのtrueENDに近いものを感じます。そこで今回はリンダキューブについて考察していきたいと思います。

リンダキューブ 【PCエンジン】
開発元:アルファ・システム
発売元:NECホームエレクトロニクス
発売日:95/10/13
:ゲームデザイン:桝田省治
キャラクターデザイン::カナビス



リンダキューブとは
ネオ・ケニアと呼ばれる地球によく似た惑星を舞台としたサイコスリ ラー&ハンティングRPGとなっています。巨大隕石が落下する8年後までの間にできるだけ多くの動物を雌雄1対につがいとして、方舟に乗せ脱出することを 目的としています。ゲームデザインの桝田省治氏のホームページにあるリンダキューブのページにありますように、
・主人公は勇者ではない
・魔王やそれに類する世界の脅威となる「敵」が存在しない
・惑星の滅亡を阻止する事が出来ない。
などの普通のRPGとは違った特徴を持っています。

あらすじ
地球によく似ている惑星、ネオ・ケニアには8年後回避不能の巨大隕石が降ってくる。それまでにケンは幼なじみのリンダとともに可能なかぎり動物を雌雄一対として、方舟に乗せ脱出しなければならない。

リンダキューブの考察
リンダキューブでは難易度別にシナリオA、シナリオB、シナリオCと分かれています。A・B・Cともに舞台・登場キャラクター・最初の展開はほぼ同じとなっていますが、キャラクターの性格・物語の展開は大きく変わっています。
シナリオA、シナリオBはサイコスリラー&ハンティングRPGの名前のとおり非常にさいこな展開となっておりあまりハッピーエンドといえる展開ではなく、むしろBADENDに近い作りとなっていると思います。各々のシナリオにはそのシナリオのラスボスとも言えるキャラクターに非常に印象に残るセリフを持っています。
シナリオCでは他の2編と違いサイコスリラー的な展開は薄く、全体を通して非常に明るい展開がなされています。またシナリオCのなかでシナリオAやシナリオBでの印象的なセリフを、別の意味で用いることによってプレイヤーにシナリオCのみで与えられる以上の心情変化を与えているのではないかと感じます。
難易度順となっているため多くの人がシナリAから順にやっていくことをうまく利用し、シナリオAを見てのシナリオB、シナリオA・Bを見てのシナリオCという展開はかまいたちの夜のようなBADENDを見てこそのtruENDというADVが最も特異とする形を、うまくRPGに落とし込んだ作品ではないかと個人的には感じます。

総論
"リンダキューブ"はポケモンより先に作られたハンティングゲームという面白さが多くの場面であげられていますが、個人的にはこの複数シナリオを置くことによるADV的つくりのRPGというのものも、面白さに占める割合は大きいのではないかと感じます。
桝田省治氏といえばリメイクもされる"俺の屍を越えてゆけ"や恋愛対戦RPGと言われる"ネクストキング"のように普通のRPGじゃないRPGが有名ですが、そのなかでも個人的には"リンダキューブ"や勇者が死ぬときにどれだけの人が葬式に来るかでエンディングが変わるRPG"勇者死す。"のような作りのマルチシナリオ・マルチエンディング的な作りのRPGをまた見てみたいと感じます。

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